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壁紙のひび割れなぜ起こる
部屋の壁紙に突如現れるひび割れは、見た目の美しさを損なうだけでなく、住まいの健康状態を示すサインであることも少なくありません。壁紙のひび割れには様々な原因が考えられますが、最も一般的なのは「建物の動き」によるものです。木造住宅の場合、季節の変化による温度や湿度の影響で木材が膨張・収縮したり、地震や強風などの外力によって建物全体が微かに揺れ動いたりすることで、壁紙にひびが入ることがあります。特に、築年数の古い家や、地盤が不安定な場所に建つ家では、この現象がより顕著に現れる傾向があります。また、「下地の問題」も大きな原因の一つです。壁紙の下地となる石膏ボードやベニヤ板が、施工不良や経年劣化によって歪んだり、ボード同士の継ぎ目部分のパテ処理が不十分だったりすると、その上に貼られた壁紙に力が集中し、ひび割れが生じやすくなります。さらに、「壁紙自体の劣化」も無視できません。特に安価なビニールクロスなどは、伸縮性が低く、紫外線による劣化も相まって、時間が経つと硬化し、わずかな動きでもひび割れやすくなることがあります。湿度が高い季節には、壁紙が水分を吸って膨らみ、乾燥すると収縮を繰り返すことで、徐々にダメージが蓄積されることもあります。これらの原因を理解することで、単なる見た目の問題として片付けずに、適切な対応を考えるきっかけになるでしょう。壁紙にひび割れを見つけたとき、見た目を改善し、さらなる劣化を防ぐためには早めの補修が肝心です。自分で補修に挑戦する場合の基本的な手順を理解しておきましょう。まず、補修作業を始める前に、ひび割れ周辺の汚れやホコリをきれいに拭き取ることが大切です。汚れが残っていると、補修材の密着が悪くなる可能性があります。次に、ひび割れの状況を確認します。もし壁紙が浮いている部分があれば、カッターなどで切れ込みを入れ、壁紙用の接着剤を注入してしっかりと密着させます。壁紙が完全に破れている場合は、破れた部分の壁紙を一度剥がし、下地が露出している場合は、下地のひび割れをパテで埋めて平らに整えます。下地が平らになったら、新しい壁紙の切れ端を、ひび割れた部分よりも少し大きめにカットし、その裏に壁紙用ののりを均一に塗布します。そして、ひび割れ部分に重ねて貼り付け、ヘラやローラーで空気を抜きながらしっかりと圧着します。