「壁紙の張り替えなんて、大きなシールを貼るようなものだろう」。DIYを始めたばかりの頃の私は、そんな風に完全に侮っていました。そして、その甘い見通しが、数々の悲劇的な失敗を生むことになったのです。これからDIYに挑戦する皆さんが、私と同じ過ちを犯さぬよう、ここに私の恥ずかしい失敗談を、反省の弁とともに綴ります。最初のしくじりは、「柄合わせの大失敗」。お洒落なレンガ調の壁紙を選んだ私は、何も考えずに次々と貼り進めていきました。そして、最後に全体を眺めて愕然。レンガのラインが、見事にガタガタになっていたのです。まるで地震直後のような、落ち着かない壁が完成しました。原因は、柄を合わせるために必要な「リピート寸法」というものを全く考慮していなかったこと。教訓:柄物の壁紙は、必ずリピートを計算して多めに注文し、隣の柄とぴったり合うように、一枚一枚、神のように慎重に位置合わせすべし。次にやらかしたのが、「空気の逆襲」。撫でバケでの空気抜きが甘かったため、張り終えた壁には、無数の気泡がポコポコと。まるで壁が水玉模様のようになってしまいました。教訓:空気抜きは、中心から外へ、優しく、そして執拗に行うべし。焦りは禁物。時間が経てば消える小さな気泡もあるが、大きなものは、後から注射器でのりを注入するなどの、面倒なレスキュー作業が必要になる。そして、最も心が折れたのが、「コンセント周りの悲劇」です。カバーで隠れるだろうと高を括り、フリーハンドで大雑把に切り抜いた結果、新しいカバーを取り付けても、無残な切り口が「こんにちは」。見るたびに、自分の不器用さを呪うことになりました。教訓:コンセント周りは、まず十字に切り込みを入れ、そこから少しずつ、定規を当てながら、ミリ単位で慎重にカットすべし。これらの手痛い失敗を通して、私はDIYが「丁寧な準備」と「焦らない心」、そして「細部へのこだわり」で成り立っていることを、骨身に染みて学びました。私の失敗が、皆さんの成功への確かな一歩となることを、心から願っています。