「子供が大きくなったから、二階に部屋を増築したい」「敷地の隅に、離れの書斎を作りたい」。このように、リフォームで家の床面積を増やす「増築」は、暮らしの可能性を大きく広げてくれる魅力的な選択肢です。しかし、建物を物理的に大きくする増築工事は、街の景観や安全性に影響を与えるため、勝手に行うことはできず、工事を始める前に「建築確認申請」という公的な手続きが必要になる場合があります。この手続きを正しく理解しておくことは、トラブルなくリフォームを進めるために非常に重要です。建築確認申請とは、その建物の計画が、建築基準法や都市計画法、消防法といった様々な法律や条例に適合しているかどうかを、工事の着工前に、役所の建築指導課や民間の指定確認検査機関に審査してもらう手続きのことです。この審査をクリアし、「確認済証」の交付を受けて初めて、正式に工事を始めることができます。では、どのような増築リフォームで、この建築確認申請が必要になるのでしょうか。原則として、増築する部分の床面積が「十平方メートルを超える」場合には、建築確認申請が必要です。十平方メートルというと、約六畳の広さに相当します。つまり、子供部屋や寝室など、居室として使える大きさの部屋を増築する場合は、ほとんどのケースで申請が必要になると考えて良いでしょう。また、家が「防火地域」または「準防火地域」に指定されている場合は、増築面積の大小にかかわらず、たとえ一平方メートルの増築であっても、必ず建築確認申請が必要となります。これらの地域は、火災の延焼を防ぐために厳しい建築規制がかけられているためです。もし、建築確認申請が必要な工事にもかかわらず、この手続きを怠って工事を進めてしまうと、その建物は「違反建築物」と見なされます。役所から工事の中止や、最悪の場合は増築部分の撤去を命じられる可能性があります。また、将来、その家を売却しようとしたり、リフォームローンを組もうとしたりする際に、違反建築物であることが発覚し、手続きが滞ってしまうといった深刻な不利益を被ることもあります。建築確認申請の手続きには、設計図書の作成など専門的な知識が必要となるため、通常はリフォームを依頼する建築士やリフォーム会社が代行してくれます。
部屋を増やすリフォームと建築確認申請