フローリングの全面張替えを行う際、どの素材を選ぶかが費用の大部分を決定づけますが、それぞれの素材の特性とコストパフォーマンスを知ることで、納得感のある選択が可能になります。まず、最も一般的で費用を抑えられるのが「シートフローリング」です。これは合板の上に木目などの模様をプリントしたシートを貼ったもので、一平米あたりの単価が安く、傷や汚れに強いのが特徴です。全面張替えの費用としては、六畳で八万円から十二万円程度が目安となります。次に人気なのが「突板フローリング」で、本物の天然木を薄くスライスしたものを合板に貼り付けたものです。見た目は天然木そのものですが、芯材が合板のため安定性が高く、費用はシートタイプより一割から二割ほど高くなります。そして、最も高価なのが「無垢フローリング」です。単一の木材から切り出された板で、使うほどに風合いが増し、調湿効果もありますが、乾燥による収縮や反りが起きやすいため、施工には高い技術が必要です。費用は選ぶ木の種類によって大きく異なりますが、パインや杉などの針葉樹なら比較的安価で、チークやウォールナットなどの広葉樹になると一平米あたりの単価が跳ね上がります。全面張替えでは、例えば廊下や寝室は耐久性重視のシートタイプ、リビングだけは質感にこだわった無垢材というように、場所によって使い分ける「ハイブリッド」な選択も非常に有効です。これにより、全体の予算をコントロールしながら、生活の中で触れる時間の長い場所の質感を高めることができます。素材選びの基準としては、単に今の張替え費用を比べるだけでなく、その後のメンテナンス性も考慮すべきです。無垢材は定期的なオイル塗装などの手間がかかりますが、削り直しによって数十年持たせることも可能です。一方、シートタイプは寿命が来たら再び張り替える必要があります。自分たちがその家にあと何年住む予定なのか、どれくらいの手間をかけられるのかという将来設計に合わせて素材を選ぶことが、最終的な費用の満足度を決定づけることになります。