リフォームローン控除の相談を受けていると、非常に多くの方が「ローンを組めば誰でも自動的に税金が安くなる」という誤解をされていることに気づきます。専門家の視点から見て、最も注意が必要な落とし穴は、工事完了から居住開始までの期間制限です。リフォーム完了後、六ヶ月以内に本人がその家に住み始めなければならないという厳しいルールがあり、これに遅れると控除の権利を失ってしまいます。また、親族が経営する会社に工事を依頼した場合や、贈与税との関係を考慮せずに資金を調達した場合なども、要件から外れてしまう可能性があるため注意が必要です。次に多いミスは、床面積の算出方法です。リフォームローン控除の要件である五十平方メートル以上というのは、不動産登記簿上の「内法面積」で判断されます。パンフレットや売買契約書に記載されている面積は「壁芯面積」であることが多く、登記簿上の面積はそれよりも一回り小さくなります。ギリギリの広さのマンションなどをリフォームする場合は、必ず登記簿謄本を確認しなければなりません。また、工事費用についても、店舗併用住宅などの場合は、居住部分にかかる費用のみが対象となるため、按分計算が必要です。書類面では、増改築等工事証明書の発行を誰に頼むかも重要です。登録された建築士や指定確認検査機関などで発行可能ですが、発行手数料が発生することや、工事中の写真が必要になることを知らないまま工事を終えてしまい、後から証明できずに困る方が後を絶ちません。さらに、令和四年度以降の改正により、控除率が以前の一パーセントから〇・七パーセントへ引き下げられた一方で、借入限度額や控除期間には細かい変動がありました。古い情報を鵜呑みにせず、自分が着工・入居するタイミングでの現行法を確認することが不可欠です。税務署は形式的な不備に厳しいため、不明な点があれば着工前に事前相談を行うか、専門家に確認することを強くおすすめします。
税理士が語るリフォームローン控除の落とし穴と注意点