網戸の性能を語る上で欠かせないのが、メッシュという単位で表される網目の細かさです。一般的には十八メッシュや二十メッシュが標準的ですが、最近では小さな羽虫の侵入を防ぐために二十四メッシュや三十メッシュといった非常に細かい製品も登場しています。しかし、網目を細かくすればするほど、物理的に風の通りが悪くなるというジレンマが生じます。この問題を解決するために重要となるのが、網を構成する素材の進化です。最新の技術では、網の糸を極限まで細くしつつ、必要な強度を維持できる特殊なポリエステルや高強度化学繊維が採用されています。例えば、糸の太さを従来の半分程度にまで細くすることができれば、網目を細かくしても開口率が下がらず、優れた通気性を確保しながら小さな虫の侵入を完璧にブロックすることが可能になります。これを実現するためには、素材自体に高い引張強度と形状記憶性が求められます。また、視認性の向上も素材によって左右されます。黒い色の網は光の反射を抑えるため、室内から外の景色がクリアに見えるという特性がありますが、糸が太いとどうしても圧迫感が出てしまいます。そこで、極細の繊維を黒く染め上げた高機能な網を選ぶことで、網戸の存在を忘れるほどの透明感を得ることができます。さらに、素材の表面に静電気を抑制する加工を施した製品も注目されています。網戸は風とともに埃を吸い寄せやすい性質がありますが、帯電防止素材を採用することで、汚れがつきにくく、日々の掃除が格段に楽になります。花粉などの微細な粒子の侵入を抑えるために、繊維の密度を極限まで高めたナノフィルター級の網戸も存在しますが、これは通気性をある程度犠牲にする必要があるため、設置する窓の役割に応じて選ぶのが賢明です。網戸の素材選びは、単なる破れにくさの比較ではなく、快適な風を取り入れつつ、いかに不快な侵入者を遮断するかという、高度な機能のバランスを追求する作業と言えるでしょう。